システム導入を「丸投げ」していませんか?——失敗しないための第一歩、RFPの話【RFPシリーズ第1回】
大阪を拠点に、中小企業向けのIT導入・DX支援コンサルティング、研修講師をしている中小企業診断士の片上拓也と申します。 このnoteでは、中小企業が「仕事を楽にする」「組織を強くする」ために使える話を、現場の経験をもとに書いていきます。
「任せたのに、思っていたのと違った」
システムを導入した経験のある方なら、こんな声を聞いたことがあるのではないでしょうか。
「ベンダーに任せたのに、できあがったものが思っていたのと全然違った」 「追加費用が膨らんで、予算をオーバーしてしまった」 「導入したけど現場に定着せず、結局元のやり方に戻った」
DX推進が叫ばれる一方で、システム開発・導入プロジェクトの失敗は後を絶ちません。調査によっては、プロジェクトの約半数が当初の目的を達成できていないという結果も出ています。
その失敗の多くは、実はシステムの完成後ではなく、もっと早い段階——企画・要件定義・ベンダー選定という「上流工程」で起きています。
なぜ今、RFPが重要なのか
「RFP」という言葉を聞いたことがありますか?
RFPとは「Request For Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と訳されます。システムの導入を検討している企業が、ベンダーに対して「こういうシステムを作ってほしい」「こういう課題を解決したい」という要求をまとめた文書のことです。
以前は、ある程度規模の大きな企業やプロジェクトだけで使われていたものでした。ところが、いくつかの変化によって、中小企業にとっても欠かせないものになってきています。
①選択肢が爆発的に増えた
SaaS・クラウドサービスの普及で、業務システムの選択肢は数年前と比べて格段に増えました。選択肢が多いことは良いことですが、同時に「何を基準に比較・選定すればいいか」が難しくなっています。
②「何をシステムに任せるか」の定義が必要になった
AIや自動化ツールの台頭で、システムでできることの幅が大きく広がりました。だからこそ「どこまで人がやって、どこからシステムに任せるか」を自社で整理しておかないと、ベンダーとの認識がずれたまま話が進んでしまいます。
③ベンダーの多様化で、選定が複雑になった
大手SIer、スタートアップ、海外SaaS——選べる相手が増えた分、単純な価格比較だけでは判断できない時代になっています。
こうした背景から、「ITベンダーに丸投げする」スタイルから、「発注者が主体的に動く」スタイルへの転換が求められています。その転換の核心にあるのが、RFPです。
「両側」を知っているから見えること
私はこれまで、ITベンダーとして数多くのシステム導入プロジェクトに関わってきました。営業として提案する側に立つこともあれば、SEとして要件を整理し設計する側に立つこともありました。
その経験から言えることがあります。
うまくいくプロジェクトには、必ずといっていいほど「自社が何を求めているか」を整理できている発注者がいます。反対に、失敗するプロジェクトの多くは、発注者側の要求が曖昧なまま、ベンダー任せで進んでいきます。
ベンダーは提案のプロですが、あなたの会社の業務のプロではありません。あなたの会社の課題と目的を整理して伝えるのは、発注者にしかできないことです。
このシリーズで書いていくこと
この記事を皮切りに、RFPをテーマにした記事を連載していきます。
「システムの導入を検討しているが、どこから手をつければいいかわからない」という方に向けて、実践的な内容を届けていきます。
RFP作成の支援やシステム導入のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
本記事は noteで公開した記事 を転載したものです。