【2026年7月時点の情報です】 記載の締切・予算状況は変更される場合があります。申請をご検討の際は、必ず各制度の公式サイトで最新情報をご確認ください。
人手不足への対応と労働生産性の向上は、地域の中小企業にとって最優先の経営課題になっています。その打ち手として、DX(デジタル化)や生成AIの導入、そしてそれを社内で推進する人材の教育・リスキリングへの公的支援が、国・大阪府・兵庫県・各自治体でそれぞれ拡充されています。
ただ、制度の数が多く、「今から申請が間に合うのか」「自社はどの制度が対象なのか」が分かりにくいのも実情です。この記事では、堺市・大阪府内・兵庫県南部の中小企業が検討できるDX・AI導入/研修関連の補助金・助成金を整理し、地域別の詳細記事への入り口としてまとめます。
「人材育成 → システム導入」という共通の考え方
各地域の制度を見ていくと、共通する設計思想があります。それは、「人材育成」と「システム導入」を段階的に組み合わせるという考え方です。
- ステップ1(人材育成):研修補助金等を使い、まずキーパーソンにDX・生成AIの基礎知識を身につけてもらう
- ステップ2(ロードマップ策定):専門家派遣や相談窓口を使い、自社の課題整理・導入計画を固める
- ステップ3(システム導入):導入補助金を使い、実際のツール・システムを本番導入する
堺市・神戸市の制度は、まさにこの順序を前提とした設計になっています(詳細は後述の地域別記事を参照)。この流れは、当社の「生成AI導入前研修」で全社の目線を揃えたうえで「生成AI業務改善サービス」で実装・定着まで伴走する進め方とも重なります。
国の制度(DX・AI導入/研修に使える3つの柱)
地域の制度に入る前に、まず全国共通で使える国の制度を押さえておきましょう。
① デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
生成AIや高度なデジタル技術を活用したシステムの導入を支援する制度です。事前に登録された「IT導入支援事業者」経由でのみ申請できる点が特徴です。詳細は既存記事でまとめていますので、そちらをご覧ください。
② 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
新規事業展開やDX推進に伴う従業員研修(10時間以上)を支援する、厚生労働省の制度です。中小企業向けの経費助成率は最大75%、訓練期間中の賃金助成(1人1時間あたり1,000円)もある手厚い内容です。
令和8年度は、eラーニング研修の上限額が「30万円→15万円」に引き下げられるなど改定が行われています。また、この制度は令和8年度末(2027年3月末)までの時限措置であるため、活用を検討するなら早めの計画立案がおすすめです。
③ 業務改善助成金
事業場内の最低賃金を引き上げつつ、生産性向上のための設備投資(AIツール、POSレジ、RPAソフト等を含む)を行った場合に、経費の一部を助成する制度です。令和8年度は大幅な制度改正があり、申請受付は2026年9月1日からという変則的なスケジュールになっています。賃上げ額のコースも「50円・70円・90円」の3コースに再編されました。
地域別の詳細記事はこちら
堺市・大阪府内・兵庫県南部それぞれの自治体独自の補助金は、内容が多いため地域別に記事を分けています。自社の所在地に合わせてご覧ください。
堺市編
DX・AI導入補助金+DXリスキリング補助金の組み合わせ活用法
その他大阪府内編
大阪市・吹田市・豊中市など主要自治体のDX・AI導入補助金まとめ
兵庫県南部編
神戸市・姫路市・西宮市のDX・AI導入補助金まとめ(姫路市は補助率75%)
地域別 補助金 状況ざっくり早見表(2026年7月時点)
| 地域 | 主な制度 | 状況 |
|---|---|---|
| 堺市 | デジタル化促進補助金(上限100万円)/DXリスキリング補助金(上限20万円) | いずれも公募中 |
| 大阪市 | 省力化・生産性向上設備導入補助金(上限200万円)/ものづくり支援補助金(上限300万円) | 要確認 |
| 吹田市 | 中小企業デジタル化促進補助金(上限20万円) | 公募中(〜8月31日) |
| 豊中市 | IT化促進補助金(上限10万円) | 公募中(〜2027年1月末) |
| 枚方市・松原市 | 中小企業振興補助金 設備投資枠(上限50万円) | 要確認 |
| 和泉市 | 産学官連携 新技術・商品開発補助金(上限100万円・補助率100%) | 公募中(〜7月31日) |
| 神戸市 | DX推進支援補助制度(システム導入100万〜250万円/人材育成30万円) | いずれも公募中 |
| 姫路市 | 産業デジタル化活用促進補助金(従業員数×15万円、最大300万円、補助率75%) | 公募中(〜8月31日、先着順) |
| 西宮市 | AI導入支援(上限20万円)/省力化・生産性向上設備導入支援(上限200万円) | いずれも公募中(〜12月15日) |
より詳しい内容・要件は、それぞれの地域別記事をご覧ください。
参考:終了・すでに使えなくなった大阪府の制度
大阪府が実施していた広域の支援策のうち、以下の2つは2026年7月時点ですでに終了しています。ブログや資料で見かけても、現在は申請できない点にご注意ください。
- 大阪府中小企業従業員人材育成支援補助金(通称:大阪府リスキリング支援補助金):令和7年度末(2026年3月9日申請締切分)をもって事業終了
- 利益率向上・賃上げ支援事業:2026年6月26日17:00をもって募集終了
なお、大阪府内で働く個人が対象の「大阪府スキルアップ支援金」(デジタル・運輸・建設分野の指定講座受講費用の3/4、最大20万円)は、令和8年度も継続しており2027年3月10日まで申請可能です。
申請で失敗しないための3つの注意点
「交付決定前」の発注・契約・支払いは一切認められない
申請書を提出した段階で安心し、交付決定通知を受け取る前にツールの契約・支払いを行ってしまうケースが後を絶ちません。これを行うと、いかなる理由があっても補助金は支払われません。国の制度・自治体の制度いずれも共通のルールです。
GビズIDの取得には時間がかかる
国の電子申請(jGrants等)には「GビズIDプライム」が必須ですが、書類郵送での新規取得には約2週間かかります。DXの検討を始めた段階で、早めに手続きを進めておくことをおすすめします。
ベンダー・専門家との事前マッチングが必要な制度が多い
デジタル化・AI導入補助金は登録IT導入支援事業者経由でのみ申請できます。堺市・吹田市・神戸市の制度も、専門家派遣や相談窓口の利用が交付の条件になっています。「思い立ってすぐ申請」とはいかないため、早めに窓口へ相談することが重要です。
まとめ
- DX・AI導入や人材研修に使える補助金・助成金は、国・大阪府・各自治体で幅広く用意されている
- 多くの制度が「人材育成→ロードマップ策定→システム導入」という段階的な設計になっている
- 堺市・大阪府内その他・兵庫県南部それぞれに詳細記事があるので、自社の所在地に合わせて確認する
- 大阪府単体の制度(従業員人材育成支援補助金、利益率向上・賃上げ支援事業)はすでに終了している
- いずれの制度も対象となるかどうかは事業内容・時期次第。申請前に必ず各制度の公式情報を確認する
「自社にどの制度が合っているか」「人材育成とシステム導入をどう組み合わせればいいか」を含めて整理したい方は、お気軽にご相談ください。
ご注意: 当事務所がご提供するのは、事業計画の考え方の整理・アドバイス・書類作成の支援です。申請書類の作成や提出を代行するものではありません。官公署に提出する書類の作成を代理で行うことは行政書士等の専門資格者の業務であり、当事務所が代行することはできません。あくまで事業者様ご自身が作成・申請の主体となり、当事務所はその伴走者として関わります。